第6章 揺れ動く心 ※
「はぁっ、はぁっ・・・・・・はぁ・・・」
指を抜かれ、息が整わないままジンと向き合う体勢にされる。
そして、わざわざ視線を合わせながら濡れた指を私に見せつけるように舐めた。
色っぽい仕草と自分の愛液を舐められている恥ずかしさで、熱くなった身体が更に熱を増す。
扉の外の気配はなくなったけど、どうしよう・・・。
バーボンに聞かれてしまった。
"取り込み中"の相手が私だと察知しただろう。
「・・・バーボンのことを考えてるのか」
「・・・・・・・・・」
数時間後・・・
ハニートラップの時のように嫉妬をした彼に激しく抱かれるかもしれない。
「んっ・・・!」
「・・・・・・野郎のことなど考えるな。奴ならすぐにこの場を去った。お前の声を聞かせるわけねぇだろ・・・」
「ジン・・・・・・」
別れを惜しむかのようにジンの熱い唇と舌がまとわりついて、私の心を溶かしていく・・・。
「・・・体調、良くないんだろ。自室でしっかり休め」
「はい・・・・・・。あの、ジンは何故・・・・・・」
ジンは何故・・・最後まで私を抱かないの?
前回も今も、私だけ触れられて彼の身体には何もしていない。
私が全力で抵抗したとしても、彼の力なら簡単に奪えるはずなのに・・・。
辛そうに顔を顰めて堪える理由は何?
「・・・いつまでもそんな格好をしてると犯すぞ。嫌いな男に抱かれるほど屈辱なことはないだろ・・・・・・これからは、自分の服装をよく考えた方が身のためだな」
ジンは突き放すように私を離すと、ソファに座りマッチで煙草に火を付けた。
言われた通り、足首まで下りている下着を急いで穿いたが、びっしょり濡れ冷たくなっていて気持ち悪い。
早い段階から彼を求めて感じていたんだ。
これでは淫乱女と言われても否定できない。