第6章 揺れ動く心 ※
次第にジンの手は胸に移動し、服の上からゆっくりと揉み始めた。
「ふ・・・あッ!やめて・・・」
「また露出の多い服を着て・・・・・・お前から誘ってるようなもんだろ」
「ちがっ・・・んぁ・・・・・・いや・・・ッ!」
レロッと背中に舌の感触がして思わず反り返る。
何も考えずに選んだため、背中が開いたデザインの服を着てきてしまった。
・・・だからと言って、なぜ私に手を出すのかわからない。
「はぁ・・・んっ・・・ジン・・・・・・もう、やめ・・・」
「さっきから、やめろやめろ言いやがって・・・うるせぇんだよ!黙ってろッ!」
「んっ!!」
ジンは私の頭を掴んで顔の向きを後方に変え、強引に唇を押し付けた。
喋る隙を与えないようにしているのか、唇を合わせたままヌルッと舌が侵入してくる。
「んくッ・・・・・・んん・・・!!」
口を塞いだまま服をたくし上げ、プチッとブラのホックを外された。
フロントホックなのにスムーズに外せるなんて・・・・・・女性に慣れている証拠だ。
「んッ・・・ん、は・・・ッ!!」
繰り返されるキスに、だんだんと息が苦しくなってきて。
ジンの腕の中から出ようと落とさないように持っていたコートから手を離す。
その時に触れた筋肉の付いた身体に気持ちが昂り、肌に触れてしまったことを悔いた。
「ふ・・・はぁッ・・・・・・離して、くださ・・・」
「・・・お前も期待して来たんだろ?悦んでるじゃねぇか」
「き、期待なんて・・・・・・」
していない・・・・・・と、自信を持って言えない。
任務中にキスをされた時は、もっとして欲しいと身体が疼いてしまったし・・・
「来い」と彼からのメッセージを見た時も、もしかしたら・・・と呼び出されたことに浮かれていた。
私の中の蕾が膨らみ、開花してしまったら・・・この先どうなるのだろう。
少なくとも今夜は降谷さんに・・・零に会うんだ。
きっと彼に会えば・・・恋人として向き合えば、ジンに対する気持ちは勘違いだったと気付けるはず。
私に必要なのは零だと・・・思い出せる、はず。