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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第5章 恋の蕾




「兄貴、どうしやす?潜って死体を引き上げやすかい?」

「あぁ・・・もちろん。
こいつで確実に殺した後でな」


そう言ってジンがコートの内ポケットから取り出したのは・・・手榴弾だ。



「奴が海に逃げた時用に引っ張り出してきたんだがな・・・」

「それ・・・海に投げるんですか?」

「ミモザ、ご名答ね」



地上で手榴弾が投げられた場合、爆発までの数秒で5メートルほど離れ、手榴弾に足を向けて地面に伏せれば助かる可能性はあるが・・・


水中で爆発した場合、その圧力波で肺や内臓を押し潰し、その周辺の生物の命を確実に絶つことができる。



「ダイナマイト漁の要領だね」

「あぁ。どんな魚が浮いてくるか楽しみだぜ」



ジンは手榴弾のピンを口で引き抜き、海に向かって思い切り投げた。




キャメル捜査官・・・・・・!!



その時、高く投げられた手榴弾に何かが当たり、空中で爆発した。


「対岸から狙われてるよ!」

「なみかぜ公園に誰かいます!」

「何・・・ッ!?」



あの場所からは1300ヤードは離れているはず。

公園にいる人影・・・ライフルのスコープから覗いている人物が1人と・・・小さな、子ども?



「そこから撃ってジンが投げた手榴弾に当たったって言うの?」

「ふふっ・・・赤井じゃあるまいし。やみくもに撃った弾が偶然当たっただけで・・・」


「きゃっ・・・!!」

「ッ!ミモザ!!伏せろ!!」



ジンの声で全員がその場に屈んで伏せる。

対岸にいる人間が撃った弾が私のポニーテールのリボンに当たり、結んでいた髪がハラリと落ちてきた。


遠くからこれを狙撃できるとは・・・なんて命中率なのだろう。



「ミモザ!どこを撃たれた!?」

「これを・・・。
髪も少し切れましたが問題ないです」

「そうか・・・」



ボロボロになったリボンと私の髪を交互に見て、ゆっくり息を吐くジン。

切ない表情で見つめられ、ドキッと心臓が跳ねた。

 

「・・・引きずっても構わない、着てろ」



長くて引きずるからと、返した彼のロングコートを再び肩に掛けられて。
 

狙撃されていたので伏せたが・・・座るな、屈むな、と言われたことを思い出した。





「暖かい・・・」






この温もりをずっと感じていたい。

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