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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第5章 恋の蕾




「あれ・・・」


奥の建物の方で走っていく大きい人影が見えた。

ウォッカ・・・に似ていたが、髪が少しなびいていたような気がする。


「どうした」

「いえっ・・・キャンティとウォッカはどこに行ったんですかね・・・」

「フン・・・そこら辺の建物にでも入ってんだろ」



あの人影がキャメル捜査官だとしたら。

なるべく時間を稼いでジンを近付けないようにしなければならない。


「ジン、あっちの方探しませんか?」

「あ?今通ってきただろうが。それに他の奴らが周ってる」


Uターンさせようとしたが、ジンは会話をしながらも足を止めずに奥の方へ進んでしまう。


「待っ・・・て!」

「ッ!」



突然腕を掴まれたことで僅かに身体を跳ねさせ足を止めたジンだが、こちらには振り返らず前を向いたまま。



「なんだよ・・・早く探し出さないと夜が明けちまうぞ」

「・・・手分けして探しても見つからないってことは、もうこの島にはいないかもしれませんよ?」

「だから言っただろ。奴はまだ体力が・・・」

「兄貴!すいやせん!FBIに逃げられました・・・」


カフェから出てきたウォッカとキャンティ。

中で潜んでいたFBIに出くわし、拳銃で撃ちながら追ったが逃げられてしまった、と。



原因は床に大量に散らばっている・・・


「コーヒー豆?」

「コーヒー豆に足を取られただと・・・?」

「へい・・・。まさかこんな罠を仕掛けているとは・・・」



散らばったコーヒー豆がいくつか潰れているのは、ウォッカが踏んで転んだ跡。

仲間のFBIからの指示でこれをばら撒いた・・・?

だとしたら成功したみたいだ。



「いや、罠じゃねぇ。麻袋がなくなっているのなら奴は土に潜る気だ」

「麻袋を使って土に潜るんですか?」

「あぁ・・・。いいか、夜が明ける前にしらみ潰しに・・・」


『待ちなさい・・・もっといい方法がありますよ・・・』



ラムの声に、全員が自分の無線に視線を向ける。




いい方法とは・・・一体・・・───


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