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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第5章 恋の蕾




「俺・・・撃てる・・・」

「殺るかい?ジン」


コルンとキャンティがスナイパーを構えている姿が見えた。

コナンくんを狙っている。



「ああ、一撃で仕留めろよ」

「ま、待って・・・!!」


咄嗟に大声で動きを止めた。

他人の死に何も思わなくなったとは言え、子どもを・・・しかも安室さんと共通の知り合いをなくしたくなかった。


「・・・何だよ」

「え・・・っと・・・、子どもが死ぬのは・・・
見たくない・・・です」

「・・・それだけか?
他に理由があるんじゃねぇのか?」


幸い、あの子どもがコナンくんだと気付いているのは私だけなはず。

なるべくバレないように助けたい。



痛いほど感じる、ジンからの視線。

私に詰め寄るのか子どもの様子を見るのか・・・

ジンがこちらへ向かってくるのを阻止するため、
表情で悟られないよう視線を合わせ、私も彼の方へ向かう。





「ガキはお前の知り合いか?」

「んっ・・・!!」


腰をグッと引き寄せられ耳元で囁かれた。

ウォッカもいて無線で他の人にも聞こえるのに、変な声が出てしまい慌てて口を抑える。



「声だけで感じてるのかよ?淫乱な奴め・・・。
理由、言ってみろ。ん?」

「や・・・めて・・・っ」


周りなど一切構わず、耳を攻められ・・・

この大変な状況の中で、昨日の情事を思い出してしまう。


「ジン・・・・・・ッ」








『待って!ヤジ馬が3人増えたわ!』

「「!!」」


無線から聞こえるキールの声で、ジンとの間に距離ができた。

ビルの下を確認すると人が増えていて、パトカーのサイレンも聞こえる。



『やけに警察の到着が早そうだし、ヤジ馬の口封じは諦めて撤収しましょ』


「しかし兄貴、奴からまだIDを抜き取ってやせんぜ」


そうだ。
あの男は自ら飛び降りたからIDを所持したまま。


「構わねぇよ。奴らもこの国の許可なしに勝手に組織(我々)を嗅ぎ回ってんだ。組織の存在を公にして騒ぎ立て、腹の内を探られたくはねぇだろ」

「世間的には騒ぎになるでしょうね・・・」

「確かに・・・」

「ズラかるぞ!」


ジンの合図に全員「了解!」と返事をして、その場を離れる。






チラッとコナンくんに視線を向けると、男の写真付きのIDと暗号の書かれたスマホを見ていた。
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