第4章 コードネーム ※
「女の人に会うんですか?」
「・・・お前に関係ないだろ。早く行けよ」
「そうですね・・・関係ないですね。私も約束があるので失礼します」
自分でもよくわからないが、わざとジンを苛立たせるような言い方をしてしまった。
「僕が側にいる」「俺の側にいろ」と言いながら他の女性の元へ行ってしまうのが悔しくて、悲しくて。
こんな気持ちになるのなら誰も側にいなくていい。
1人でいた方がマシだ。
「・・・バーボンに会うのか」
「ジンには関係ないです。
明日の任務はちゃんと・・・いッ・・・!!」
ポニーテールを引っ張られ上を向く形になると、高い位置にあったジンの顔が近付いてきた。
眉間に皺を寄せて眉を吊り上げている。
「誰に会うのか言え」
「・・・・・・・・・ベルモット」
本当は約束している人などいないが、それも悔しいので先程まで一緒にいた彼女の名前を出した。
コードネームのことを報告しに行けば嘘にはならない。
ジンと視線を合わせると彼の眉間の皺が取れて口角が上がっている。
「フン・・・・・・んだよ、バーカ」
「ばっ!バカって・・・んッ・・・!」
ジンとの距離がなくなり、気付くと唇が重なっていて・・・
ちゅっ・・・と音を立て僅かに離れると、ポニーテールを掴んでいた手に頬を包まれた。
「予定変更だ。相手してやるから良い声で啼けよ」
「な・・・んん・・・っ!!」
角度を変えて何度もキスをされて・・・
拒みたいが何故か受け入れてしまう。
ジンの長い前髪が当たってくすぐったい。
「ふ・・・んぅ・・・は・・・・・・」
「なるほどな・・・・・・こうやって落とすのか。
ん、舌出せ」
「ぃ、や・・・・・・はぁ、んっ!」
薄く開いた口から熱い舌が入ってきて、あっという間に私のソレを絡め取られて。
ぐちゅ、ぐちゅ・・・という音とお互いの吐息が部屋に響く。
上に傾けている首が痛すぎて立っているのが辛い。
「んッ・・・やめ・・・、は・・・んふ・・・っ」
「・・・小せぇな。
俺に合わせて背伸びするとかしろよ」
これだけ身長差があったら、ちょっと背伸びしたくらいでは、高が知れていると思うが・・・。
ジンは文句を言いながら私を抱き上げ、ソファに寝かせた。