第4章 コードネーム ※
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「てめぇは連絡の1つも返せねーのかッ!?俺からの電話を無視するとは良い度胸だなあ?」
「すみません・・・ちょっと、返せない状況で・・・」
「どんな状況だよ、それは?いつどこで何をしていても必ず出ろッ!!」
無茶なことを言う人だ・・・・・・と思いながらも
「わかりました」と返事をするほかない。
自分のせいだが、ジンの機嫌は最悪で。
どうしたものかと心の中で頭を抱えた。
「あ、あの・・・・・・」
「あ"?何だよ」
「ごめんなさい・・・気を付けます・・・」
「・・・・・・」
こんな風に声を荒らげられるのは初めてかもしれない。
会社で叱られることがあっても静かなトーンで言われていたから、このような叱責に慣れていないのだ。
ジンは私のことを心配してくれたのだろうか。
・・・いや、連絡無視されて怒り狂っているだけだ。
「はあ・・・。ラムからお前について連絡が来た」
「えっ!?」
No.2のラムから・・・。
私、何か粗相をした?役立たずでクビ?
何にせよ生きて帰ることはできない。
恐怖で全身から血の気が引いていくのがわかった。
「フッ。ビビってんのか?情けねー顔しやがって」
「・・・どんな・・・内容ですか?」
ギュッと口を結び、ジンからの言葉を待つ。
鼓動の速さで身体が揺れないよう必死に耐えた。
「ミモザ。お前のコードネームだ」
「・・・コードネーム・・・・・・」
ふ・・・っと全身の力が抜け、膝から崩れ落ちる。
殺されると思い込んで力を入れすぎていた為
ガクガクと震え、極度の緊張によって手足が冷たくなった。
「いい名だろう?俺が提案したんだ、文句は言うなよ」
「・・・ミモザ・・・・・・素敵な名前ですね・・・」
コードネームはこんな早くに貰えるものなのか
何故ジンが提案したのか・・・気になることはあったが、危機を逃れた安心感で頭が働かない。
「用件は以上だ。次からは無視すんなよ」
「・・・・・・以上、ですか?」
「何だ、不満か?ああ、明日の任務忘れずに付いてこい。わかったらさっさと出ていけ」
あれだけ連絡をして、怒鳴っておいて・・・以上?
用件を伝え終えたら、さっさと出ていけ?
「常に俺の側にいろ」と言ったのはジンなのに・・・。