• テキストサイズ

【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第18章 裏切り者




♦︎♥︎♦︎


「もたもたしてんじゃねぇ、キール」

「え、えぇ・・・」



川に逃げ込んだ女のこめかみを狙い、撃ち殺した。

証拠を残さぬよう、その女が落としたスマホも一緒に。


その身体は、暗い川底へと沈んでいった。




ユーロポール・防犯カメラ・ネットワークセンターに侵入したピンガがヘマをしたらしい。

ただ情報を盗むだけで目撃されるとは、鈍臭い。

しかも、見す見すと逃がしやがって・・・つくづく使えねぇ野郎だ。



バイクで追っていたキールも、女を追い詰めたというのに拳銃を構えるだけで全く撃ちやしない。


若い奴はやる気がねぇのか、こちらに皺寄せがくるからたまったもんじゃねぇ。



「ジン・・・。ピンガとミモザは、もう日本に引き返すのよね?一旦合流するの?」



ヘルメットを取り、肩を抑えているキール。

あの女を撃つ際に流れ弾がキールの右肩を貫通した。



まあ、少々手が滑った・・・・・・、という所だ。



もピンガと共にこの近くにいる。

アイツらは怪しまれる前に、再びパシフィック・ブイに戻らなければならない。



顔を合わせるチャンスは・・・今だけ・・・。





・・・・・・────


怪我はしていないか。

ピンガに何もされていないか。


一刻も早く、あの野郎から取り戻したい。



は・・・それを望むだろうか・・・。




「・・・合流・・・、しない方が良さそうね。必要事項はまたピンガに連絡するわ」

「・・・・・・・・・あぁ」





生温い風が吹き、川が切なそうに揺れていた。


/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp