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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第3章 黒ずくめの男





何だ?煙草が珍しいのか?

吸い始めた途端、女の視線がこちらに向いた。


「・・・何だよ。お前も吸うか?」

「え、いえ!吸ったことないので・・・!!」

「試してみればいいじゃねぇか。まぁ・・・初めてでコレは相当キツいだろうけどな、フッ」


ゴロワーズは匂いがキツく嫌がる奴も多いが、女の様子からして嫌いではなさそうだ。

その様子を見て胸を撫で下ろす。




「お前は自ら望んでハニートラップをやってんのか?」

「・・・えぇ、もちろん」

「ほぉ・・・・・・どんな風に誘ってるんだ?俺にも仕掛けてみろよ」



男が悦ぶというテクニックを試されてやろうと女の顎を上げて顔を近付ける。

白目に濁りがなく澄んでいる瞳。

キメが細かく透明感のある肌。

果実と花が凝縮したような甘い香りが鼻孔をくすぐった。


「・・・!」


恐怖からか女が瞼をギュッと閉じた。

自然と、瞳から唇に視線が移る。

赤くてふっくらとしていて・・・・・・自分の唇をソレに重ねる想像をしてしまった。

誘われた男どもは皆、この唇に触れているのか。

唇だけではなく、この髪も、頬も、身体も・・・。

考えただけで沸々と怒りが込み上げ、憤りを感じた。



「・・・フン。お前には無理だ。ハニートラップには向いていない」

「ッ・・・・・・」

「ベルモットとバーボンに任せておけばいい。
アイツらの方が上手くやってる」

「・・・バーボンも・・・誰かを抱いてるってことですか?」

「知らねぇのか?それに関しては手練れだろ。
アイツにかかりゃ朝飯前だ」


ドン底に落とされたような顔をしている。

バーボンの任務内容を知らなかったらしい。

自分の女にも秘密主義とは・・・・・・クズだな。



「綺麗な顔してんじゃねーか。ショックで声も出ないよなあ?自分の男が他の女と楽しんでるなんて」

「・・・納得です。彼、本当に上手なので」

「ハッ。認めるのか。潔い女は好きだぜ?」

「私の世話係ですから・・・ね」



突然、女の顔付きが凛々しくなり、オドオドとしていた話し方も変わった。






・・・腹を括ったか。


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