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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第3章 黒ずくめの男




「兄貴、そろそろ・・・」

「・・・あぁ。おい、女。任務が終わったら俺の部屋に来い」

「・・・・・・え?」

「いいか?逃げたら殺すまでだ」


大きな瞳を更に見開いて、顔は青ざめている。

愛車に乗り込んでからもサイドミラーでその姿を目に焼き付けた。







「気に入りましたかい?丸音瑠愛」

「・・・アイツか。最近ウォッカが面倒を見てるという女は。声も出せないほど怯えて・・・何の役に立ってるんだ」

「頭が冴えて動きも良い、視力も良くて射撃の素質もありやす。素の気取らない丸音瑠愛に男は落ちるんでしょうね。先日も間近で見やしたがベルモットとはまた違った魅力が・・・」

「フン・・・もういい」


素のように見せるのも、あの男が仕込んだか。

気に食わねぇな・・・全く。

あの状況で部屋に呼ばれて、女は来るのだろうか。

逃げられないのはわかっているはずだ。

女の代わりにあの男が来るか・・・引き連れてくるか・・・だな。








♦︎♥︎♦︎


「何故てめぇも来た。自分の女が心配か?」

「世話係として・・・心配でしたので。何をされるおつもりですか?」

「ほぉ・・・世話係ねぇ。てめぇも女に執着することがあるんだな、バーボン」


やはり共に来たな。よほど執着しているらしい。


「僕が大事に育てていますので。ジンであろうと手は出さないでいただきたいのですが・・・。
それとも、こういう女がお好みですか?」

「フッ・・・、それはてめぇの方だろう。まぁいい。
俺も暇じゃあねぇんだ、15分で返すさ」

「必ず・・・ですよ」




手を出すな・・・か。

自分の女だと認めているのと同じだろ。

コイツも案外わかりやすい。

誰がこんな女・・・。

俺の好みは"イイ女"、だ。







部屋に入ると、女は扉付近で立ちすくみ俺から距離を取っている。

すぐに逃げられるように構えているのか。

そんなことをしたらあの世行きなのにな。



「難しい顔してんな?アイツと深い関係なんだろ?」

「いえ・・・・・・」

「フン。どいつもこいつも秘密主義かよ・・・気に入らねぇ」


ロクに喋らねぇヤツだ。

もっと声を聞きたいっつーのに・・・。

口数が少ない女に腹が立ち、煙草を取り出してマッチで火をつけた。
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