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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第3章 黒ずくめの男



♦︎♥︎♦︎


「はあ・・・」

ソファに座り直し、新しい煙草に火をつける。

1人になり静まった部屋がやけに寂しく感じ、溜め息を吐いた。



たった15分。

あんなに癒される時間を過ごしたことはない。






♦︎♥︎♦︎


「任務にてめぇの女連れてくんなよ。バーボン」


任務に向かうため外に出ると、バーボンと女がコソコソと話をしていた。

距離が近くて後ろ姿だけでも恋人同士に見える2人。


「まさか。僕は自分の恋人をこんな所に連れてくることはしませんよ」


"こんな所"だと?

顔は見えないが女が切なそうに俯いた気がした。



「僕が拾ってきた大事な新入りです。瑠愛、ジンに挨拶を」



コイツが誰かをスカウトするなんて今まであっただろうか。

単独行動が多く、他人に興味がなさそうなこの男が。

しかも何だ?

声を掛けられても女は振り向かない。

イライラが募り、その背中を睨みつけた。


「おい。使いもんになるのかよ、こんな──」


力づくでこちらを向かせようと掴んだ肩が、細くて弱々しくて一瞬戸惑った。

少し力を入れたら壊れそうで、引っ張ったら飛んでいきそうで・・・。

戸惑いながらも咄嗟に力を加減した。



ようやく視線が合ったと思えば俺を見た途端、怯えているのか女の華奢な身体が震え出す。

・・・どいつもこいつも気に入らねぇ。


「・・・おい。こいつは口が聞けねぇのか?」

「いえ・・・。瑠愛、しっかりしてください」

「ッ・・・・・・丸音・・・瑠愛、です・・・」



声が出ないのか、小さいが心地良い透き通った綺麗な声が聞こえた。


上目遣いに俺を見る大きな瞳。

くすんだブラウンの髪はポニーテールに結んであり、くるんと丸まった毛先が風になびいていて。

怯える姿は小動物そのものだ。




────側に置いておきたい。

単純にそう思った。


「ハッ。こんなひ弱そうな女に何ができる。何故拾ってきた」

「意外と使えるんですよ。見かけに寄らず・・・男を悦ばせるのが得意なもので」


その言い方だと・・・ハニートラップでもさせてんのか。

そこら辺の男は、この女に見つめられただけですぐに口を割りそうだ。


悦ばせるのが得意とは・・・・・・

やはりお前ら、関係があるんじゃねーかよ。




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