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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第16章 気になる視線




毎日感じる、たくさんの視線。

この美貌は想像以上に周りの人々を魅了した。



その中でも気になる1つの視線。

パシフィック・ブイに潜入してからずっと、遠くの方で私の様子を伺っている。





もしかして・・・ピンガかもしれない────




そう思ったのも束の間。

私の目が捉えたのは、ウエーブのかかった髪で首元にスカーフを巻き、大きい眼鏡の似合う長身の女性だった。




「コンニチハ〜」



彼女は休憩時間になるとこちらに手を振りながらやってくる。

今日も、また・・・。



「こんにちは!お疲れさまです。いつものでいいですか?」

「えぇ、ありがとう。覚えてくれて嬉しいわ」



フランス出身のグレース。

数年前からここでエンジニアとして働いているらしい。

仕事がバリバリできて、余裕のある年上のお姉さんの印象だ。




ホットコーヒーを受け取った彼女は、一口飲むとカップに付いた口紅を親指で拭った。




「どう?ここでの生活は慣れた?」

「はい、おかげさまで。でも・・・・・・」

「でも?困っていることがあるの?」



困っていること・・・・・・







ピンガが見つからない。





派手なヘアスタイルをしているのなら、すぐにわかると思っていたのに。


エンジニアの中にも、カフェに来る人の中にも、そのような人物が見当たらないのだ。




「あの・・・、パシフィック・ブイに金髪でコーンロウの人っていませんか?」

「コーンロウ・・・?いたかしら?金髪なら何人かいるけど・・・その男性と知り合いなの?」

「知り合い・・・の知り合い・・・、みたいな感じですね」




嘘ではない。


私はピンガに会ったことがないから。



数年ここにいるグレースがわからないのなら、ヘアスタイルを変えているということか・・・。





早く彼を見つけ出さないと・・・・・・私が潜入した意味がなくなってしまう。



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