第15章 外の世界へ
が・・・・・・、ミモザが潜入だと・・・?
頭イカれてるんじゃねぇのか?
よりによってピンガのサポートとは、余りにもふざけてやがる。
パシフィック・ブイは海中に存在する施設だ。
つまり、容易に助けに行ってやることができない。
ピンガは既に3年も前から潜入中で、未だ目処が立っていない状況・・・───
コイツは俺の側にいれば良い。
任務などやらず、俺のテリトリーで俺だけの為に生きていれば良いんだ。
「チッ・・・・・・おい、お前たちの中で潜入する奴を決めろ」
「それって・・・命令に背くってこと?そんなことをしたらミモザがどうなるか・・・」
「易々と言うことを聞いてられるか」
「ジン・・・・・・本当に変わったわね、あなた」
誰に何を言われても構わない。
俺の見えない所へ行かせる方が後悔する。
要は潜入すれば良い話だろ。
それがでなくても済むはずだ。
「・・・・・・大丈夫です。私にやらせてください」
横から聞こえた声に、火を付けようとした煙草が指の隙間からポロッと落ちた。
今・・・・・・何て言いやがった?
に睨みを効かせると彼女は一瞬怯んだが、真っ直ぐな視線はそのままで。
コイツの決意は固いのだと思い知る。
それでも「そうか、やってみろ」などと送り出せるはずがない。
「・・・駄目だ。お前にはできねぇよ」
あえて冷たく言い放つと、ムッとした表情に変わる。
そんな顔も可愛くて、髪がグシャグシャに乱れるほど頭を撫でて甘やかしてやりたくなった。
しかし、この状況で空気の読めない場違い野郎になるわけにはいかない。
冷めた態度を崩さず、を睨み続けた。
「・・・・・・パシフィック・ブイとピンガについて教えてください!」
ハッ。俺を無視するとは良い度胸だな・・・この女。
柔らかい雰囲気とは裏腹に、意外と頑固で強気な所がある。
コイツらの目の前で犯してやろうか・・・と、本気で苛ついた。