第15章 外の世界へ
「はしゃいでんじゃねぇ。ガキじゃあるまいし」
「だ・・・だから、何でそんなに怒っ・・・んぐ」
ジンの手で口を覆われ、それ以上は何も言えなくなった。
ガキじゃあるまいって・・・。
いつも私を子ども扱いするのはジンですよね?
と返したかったが、それは叶わない。
言葉を発せたとしても言わない方が身の為だろう。
「嫉妬深い男は嫌われるわよ?ジン」
「お前の口も塞いでやるか?永遠にな」
「はぁ・・・。呆れて物も言えないわ・・・」
嫉妬?彼は嫉妬で黒いオーラを纏ってるの?
バーボンがいるわけでもないのに、何が気に入らないというのだ。
「それより、アタイらが集められた理由は?顔を見せなかったミモザまで呼び出して・・・それ相応の訳があるんだろうね?」
「そうね。そろそろ聞かせてほしいわ」
「・・・・・・集まるよう、ラムから連絡があった。チッ・・・何故コイツまで・・・」
「ラム・・・・・・」
目を細めたジンは私の口元から手を離した。
しばらく忘れていた、ラムの存在。
心臓がドクンとうるさい音を立てた時、ジンのスマホが鳴った。
「噂をすれば・・・・・・」
それをテーブルの真ん中に置くと、ゆっくりと通話ボタンとスピーカーを押す。
全員に漂う緊張感。
息を呑む音だけが部屋に響いた。
『皆さん、集まっていますね・・・?ミモザ、聞こえていたら返事をしてください」
「っ!・・・は、はい・・・」
視線が一気にこちらに集中し、うるさい心臓が止まりそうだった。
私もここに呼び出されたこと、たった今指名されたこと。
これは・・・嫌な予感しかしない。
汗ばむ拳の上にジンの手が重なった。
『単刀直入に言います・・・・・・。ミモザ、パシフィック・ブイへ行き、ピンガのサポートをしなさい』
「・・・・・・え?」
パシフィック・ブイ・・・?
ピンガ・・・・・・?