第14章 平穏な日々 ※
「・・・・・・・・・ジンは?」
「は?俺がハニートラップをやるわけないだろ」
「そ、そうじゃなくて・・・・・・抱いたんですか・・・?あの子・・・ギムレット・・・」
「・・・・・・」
ホテルのベッドに寝かせ煙草を吸いながら待ってみても、一向に起きなかった。
もうそろそろ良いだろうと丸まって眠る彼女に覆い被さる。
・・・寝てる姿も整っているとは・・・今までどれほどの男を魅了してきたんだ。
ちゅっ・・・と控えめな音を立て、首筋や耳に唇を落とす。
この甘い香りが食欲を唆る。
早く食っちまいてぇ・・・・・・。
押さえ込んでいた欲望がムクムクと湧いてきて、が目覚めた時にはこちらも完全に勃ち上がっていた。
俺の情けない嫉妬は、の優しい言葉に安心させられて。
改めて柔らかい胸の膨らみを堪能しようと手を動かそうとした時、彼女から問われた。
"ギムレットを抱いたか"
正確に言えば抱いてはいない・・・・・・が。
口付けや、意識を失うまで指でイかせた・・・と正直に話すべきだろうか。
ギムレットに対して欲情も興奮も全くしていない。
しかし、記憶が戻るなら・・・と、ヤケになり抱こうとした。
マジで情けねぇ。
に嫌われるかもしれないと考えるだけで、事実を話すのを躊躇ってしまう。
そんな俺を、眉を下げて心配そうに見上げるが可愛くて、益々申し訳ない気持ちになった。
コイツに関しては誰にも見せられない自分がいる。
「・・・無理に言わなくて大丈夫・・・です。仕方ないですよね!事故みたいな・・・もの、ですもんね・・・・・・」
「、待て。抱いてねぇよ」
「え?本当ですか・・・?」
「抱いてねぇ・・・・・・が、悪ぃ。手で・・・ヤった。キスもした」
ヒュッと息を呑む音が聞こえた。
あの時の自分を殺したい。
好きな女を傷付けんなよ。
の反応が恐ろしくて、生きた心地がしなかった。