第12章 すれ違い ※
「君が俺の元へ戻るまで諦めない・・・どんなに汚い手を使ってでも・・・ッ」
「んっ、や・・・ふるっ・・・や、さん・・・!!」
「違う・・・・・・零って呼べよ・・・」
口内の奥の方で舌を絡められ、グチュグチュと唾液の音が響く。
合間に流れる唾液を舐め取られ、再び唇を塞がれる。
呼吸をするのもやっとで生理的な涙も流れてきたが、だんだん抵抗する力が入らなくなってきた。
力が弱まったことに気付いた降谷さんの手が、私の身体のラインを這い始めて。
胸の膨らみに到達すると服の上から思い切りかぶりつかれた。
「いッ・・・!!い、や・・・ふる、や・・・さん・・・。やめて・・・くださ・・・!!」
噛みちぎられるのではと思う程の痛さで。
身体は震え、涙が止まらない。
恐怖を覚えて掠れた声を振り絞り、助けを求める。
「・・・愛してるんだ・・・・・・・・・。君を手放したことを後悔している・・・」
「嫌・・・・・・もう、無理・・・です・・・・・・私は・・・」
「ジンにはもう必要とされていない!奴の恋人はギムレットだ。君ではなく、あの女を抱いたんだ!!」
「・・・・・・え?・・・何で・・・知って・・・」
何故、その件を降谷さんが知っているのか。
言い終えた彼の顔が青ざめた。
ギムレットがジンに抱かれたと言っていたのは昨夜のこと。
彼女が私に話している時、降谷さんはその場にいなかったのに。
ずっと抱いていた疑問が浮かび上がってきた。
「降谷さん・・・・・・ギムレットと・・・繋がってる、んですか・・・・・・?」
「・・・・・・」
鋭い視線が、スッと横へ流された。
長い沈黙────
その間も彼に掴まれたままで動けずにいた。