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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第12章 すれ違い ※




「乗れ」

「や、待って!お願い・・・っ」

「待てない、飛ばすぞ」



運転席側から助手席に押し込まれ、抵抗も虚しくシートベルトをする間もなく急発進した。

振り返るとリアガラスからジンと目が合う。


顔を合わせずに去ろうと思っていたが、こんな別れ方はあんまりだ。


私とバーボンが駆け落ちして逃げている・・・ような状況が不快だった。



隣にいる彼はアクセルを踏み込みスピードを上げ、ジンが追ってこれないよう脇道を掻い潜る。



「ひぃっ・・・う・・・ッ・・・バーボン!スピード、落とし・・・て・・・きゃあっ!!」

「舌を噛むなよ!」



身体が傾き必死にしがみついていたら片輪走行で180キロ出ていた。


し、死ぬ・・・!!殺す気なの!?


彼の運転は穏やかなものしか知らなかったため、驚きを隠せない。



ミラーで確認できていたジンの愛車は徐々に小さくなり、やがて他の車に紛れて見えなくなって。


それでもバーボンは油断せず、確実な場所までアクセルが緩むことはなかった。


ジンにもう会えないという寂しさと、追ってきてくれたという喜び。


もしかして、記憶が戻った・・・?

気になるが確かめる術がない。




裏切り者として始末される可能性があるのにスピード違反をしてまで逃げて良かったのだろうか。


仮にも警察官・・・この人の考えていることは未だに理解できない。


・・・違う。
できないのではなく・・・私が理解しようと努力しなかったのかもしれない。










「・・・着いたぞ」


あまりの怖さに目を閉じて耐えている間に到着した場所は、降谷さんのセーフハウスだった。


「・・・・・・自宅に帰らせてください」

「引き払った。君の帰る場所はもうここしかない」

「なっ・・・勝手に・・・!いくら上司だからってそんな権限ありませんよね!?」




上司と部下の関係なんて、もうどうでも良かった。


ミモザが終わりならば・・・従順な部下も終わりにしよう。





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