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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第12章 すれ違い ※



♦︎♥︎♦︎


「荷物を纏めたらすぐに帰ってこい。僕の部屋、好きに使って良いから」


「え?だ、大丈夫です!自宅に帰ります!!」





──断ったのに無理矢理握らされた合鍵。

私が住んでいた部屋は解約しろと言われ・・・それも半ば強引に。


降谷さんの部屋で過ごすなんて落ち着かないし、一緒に住むなら野宿する方がマシだ。



結局、昨夜はアジトの自室で一晩を過ごした。


降谷さんの元へ行くのが嫌だったのもあるが・・・・・・ジンに会って、彼のことで胸がいっぱいになったから。


貸してもらったコートを握りしめ、懐かしい香りに包まれながら寝てしまった。



そのせいか・・・愛し合っていた頃の夢を見て。

嫉妬しているジンに激しく抱かれる夢。

待ち望んでいた幸せな時間。

できれば、夢のまま覚めないでほしかった。




コートはあの時のようにクリーニングに出そう。

裾は汚れ、抱きしめていたせいで皺だらけ。

この状態で返すのは申し訳ない。


本当はジンの顔を一目見てから出て行きたいけど・・・決心が揺らいでしまうから会わずに行かなければ・・・。





「ミモザさーん!おはようございますっ」


「おは・・・よ・・・・・・ちゃんと着替えてから部屋を出た方がいい・・・と思うけど・・・」


「ちょっと、ジンさん探しててぇ・・・・・・見ませんでした?外で煙草吸ってるのかなぁ」



大きめのシャツを1枚、ワンピースのように羽織っているギムレットに顔が引き攣る。


なぜ、その姿でジンを探しているのか・・・聞かなくても想像できてしまう自分が嫌だ。



・・・・・・そんなはず、ないよね?



ジンは私と同様にギムレットに対しても冷たく接している。

彼女はしつこくジンに迫っているが、彼の態度から男女の関係に発展するとは思えなかった。



しかし・・・・・・今のギムレットは"彼シャツ"姿で、そのシャツからは煙草の匂いがする。



私はもう組織を離れるのだから真相など知らなくて良い。

知らない方が自分の為。


そう理解しているのに足が動かなくて。




知りたくない。


本当は知りたい。






「ミモザさん、お伝えしたいことがあるんです」





そんな私の心を読んだような、ギムレットの作り笑顔に背筋が凍った。


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