第12章 すれ違い ※
「ジン・・・んっ・・・あ、ん!痕・・・付けないで・・・っ」
「こんな服・・・着られないようにしてやるよ・・・」
「あッ・・・やっ・・・!あなたの・・・為に・・・んんっ・・・、着た、のッ・・・!」
「ハッ・・・、俺に抱かれたかったのか?淫乱女。・・・・・・フン、俺の女になるなら・・・抱いてやる」
「はぁっん・・・ジン・・・、愛してる・・・・・・っ!!」
「ッ・・・・・・、愛してる・・・・・・ミモザ・・・」
ガバッと勢い良く起き上がると、呼吸が荒れ汗だくになっていた。
心臓がドクドクと飛び出しそうな音を立てている。
ミモザのことを意識し出した途端にアイツを夢で抱くとは・・・。
しかも、愛してる・・・・・・だと?
嫉妬で強引に抱いていたが、恋人のような甘い雰囲気が漂っていた。
頭の中に張り付いている女はミモザだと認めていなかっただけで、本当は最初から意識していたのかもしれない。
「はあ・・・はあ・・・、はあッ・・・チッ、夢かよ・・・」
夢であれ、乱れた姿のアイツに愛を囁かれて。
ただの朝の生理現象だと言い訳ができない程、下半身が膨れ上がっている。
昨夜はすぐに触れられる距離にいた。
やはりあのまま抱きしめていれば・・・・・・
1人虚しく処理せずに済んだのかと思うと後悔が押し寄せる。
「くそ・・・・・・」
ミモザにコートを掛け別れた後も、アイツを頭で犯し1人で抜いたというのに。
もう・・・手に入れなければ満足できない。
アイツが誰を好きだろうが知ったことか。
他の野郎のものならば、力づくでも奪うまでだ。
「ああ、俺だ。そっちに戻る」
ウォッカに迎えの連絡をし浴室へ向かう。
──早くアイツに会いたい
自分の気持ちを認めたら、想いが溢れ出し抑えられなかった。
この想いを伝えたらアイツはどんな反応をするだろうか。
無理だと拒否されても良い。
絶対に・・・俺の女にする。