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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第3章 黒ずくめの男




ジンとバーボンの視線が痛くて余計に動けない。

「早くしろ」とバーボンの笑顔が言っている。



「おい。使いもんになるのかよ、こんな──」

「ッ・・・!!」


無理矢理、肩を強く引っ張られ後ろを向かされた。


恐る恐る見上げると、長い前髪からジッと睨む深緑の鋭い瞳。

怖い。目だけで殺されそうだ。

逸らしたいのに逸らせない。

私より30センチ・・・40センチほど高い長身で腰まであるストレートの銀髪。

黒いロングコートと帽子が、より恐怖を煽る。


この人が・・・・・・ジン・・・・・・。


「・・・おい。こいつは口が聞けねぇのか?」

「いえ・・・。瑠愛、しっかりしてください」

「ッ・・・・・・丸音・・・瑠愛、です・・・」



恐怖で声が出なくなるのは初めてだ。

掴まれている肩が折れるのではないかと思うくらい痛い。


「ハッ。こんなひ弱そうな女に何ができる。何故拾ってきた」


私から離れ、鼻で笑うジン。


熱を持った肩を抑えて、冷や汗が止まらない身体を必死に落ち着かせた。


「意外と使えるんですよ。見かけに寄らず・・・男を悦ばせるのが得意なもので」

「フン・・・。てめぇが仕込んだっつーのか」

「さあ?ご想像にお任せします」


2人の間にバチバチと火花が散る。





「兄貴、そろそろ・・・」

「・・・あぁ。おい、女。任務が終わったら俺の部屋に来い」

「・・・・・・え?」

「いいか?逃げたら殺すまでだ」


そう言い捨てるとウォッカが運転する黒い車、ポルシェ356Aに乗り去っていった。




ジンの部屋に・・・・・・呼ばれた?


「予想通りですね。思ったより早かったですが・・・」

「・・・・・・私は、何をされるんでしょうか・・・」

「・・・組織に適しているか試される・・・かもしれませんね」


組織に適しているか試される・・・・・・つまり・・・


「ジンと・・・寝る・・・?」


あの冷酷なジンに抱かれたら、私はどうなってしまうのだろうか。

殺されるも同然なのでは・・・。

女、子どもにも容赦ないと聞いていたけど、あの目付きを見たら納得だ。


「僕も行きますので・・・とりあえずしっかりしてください。怯えていたら怪しまれます」

「・・・・・・はい・・・」


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