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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第11章 私の居場所





その日の夜───

荷物を纏めるためアジトへ戻ったが、自室で1人ぼーっと動けずにいた。



クローゼットに掛かっている黄色のドレスが眩しい。

このドレスを着たのはジンと初めて繋がった日。


バーでお酒を飲み、しつこい男から守ってくれて。


ホテルのエレベーターでキスをされ軽々とお姫様のように抱いてくれたと思ったら、部屋に着いた途端ジンからの激しい愛を貰った。


私のことを考えて我慢してくれていたけど、それがもどかしくて、切なくて。


自分からも彼を激しく求めた日だ。




暖かくて幸せだった時間・・・・・・


ずっと側にいられると思っていた。



その幸せは瞬く間に崩れ去ってしまったが。




もう二度と、愛してもらえる日は来ないのだろうか。


もう二度と、愛してはいけないのだろうか。





ここに私の居場所はない。


ミモザは必要ない。




本来の目的は果たせたのに、何とも不甲斐ない終わり方だ。




このドレスは置いていこう。

持っていても着る日は来ないのだから。






無造作に山積みにした服を漁り選んだのは、背中が大きく開いたデザインのトップスとタイトスカート。



最後に着てみたくなり、袖を通して鏡の前に立つ。





・・・・・・うん、可愛い。



でもあの人に見てもらわなければ意味がない。


可愛いと思ってもらいたい。


触れたいと思ってもらいたい。


案外、自分はあざとい女なのかもしれないと今更ながらに気が付いた。



組織を離れたら、この服は着なくなる。


見せる人はいないが、最後は思い切り着飾ったミモザで終わりたい。



そう思ったら、うんと綺麗になりたくなって。



まずは身に付けているものを全て脱ぎ、浴室へ向かった。




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