第11章 私の居場所
「・・・・・・降谷さんも・・・あの人と同じことを言うんですか・・・」
ジンと同じように、"必要ない"と。
「・・・はよくやってくれた、充分だ。ジンの記憶がいつ戻るのか・・・・・・戻らない可能性もある。もう、ミモザはお終いだ。お疲れ」
「・・・・・・ですが、裏切ったと追われて殺されるのでは・・・」
「心配ない。長期の任務に行くことになっている。その後は・・・僕に任せてくれ。今まで辛い思いをさせてすまなかった」
「っ・・・・・・」
潜入を言い渡された時は辛かった。
何故私なの?と、降谷さんを恨んだ。
しかし、今の方が・・・・・・ミモザはお終いだと言われた今の方が、辛くて心が痛いよ。
長期の任務中に死んだことにされるの・・・?
偽物の私だけど、ジンから愛を受けたのはミモザで。
そのミモザを消してしまったら・・・二度と会えなくなる。
二度とあの人からの視線を感じられなくなる。
「そんな、急に・・・・・・」
「・・・とりあえず、アジトにある荷物は僕が持ってくるから。君はもう行かなくて良い」
「だっ大丈夫です!!自分で行きます!!」
「そうか。では、頼んだぞ」
────あぁ・・・嵌められたのか・・・。
別にこれといった物は置いていないが・・・・・・見られたくない服と下着がある。
ジンが怒ってくれるかもしれないと、露出の多い服を買った。
いつ抱かれても良いように、お気に入りの下着も買った。
私のことを思い出してほしいという思いだけで、この1年たくさん買い揃えたものは降谷さんに見られたくない。
自分で取りに行くと言ってしまった手前、後戻りはできなくなった。