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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第11章 私の居場所





「ごほんっ」


「はっ・・・も、申し訳ありません!!!」



降谷さんのわざとらしい咳が聞こえると、風見さんが慌てて私から離れた。


慌てふためき、部屋の隅の方まで後ずさっている。




変なことをしたわけではないのに。

この抱擁に疾しい気持ちは一切ない。


感動の再会で溢れそうだった涙が引っ込んでしまった。




「まさか、風見もだったとはな・・・・・・」


「いえ!!滅相もございません!!これは・・・その、つい・・・・・・」


「私は大丈夫ですよ。風見さん・・・ご心配をお掛けして本当に申し訳ありませんでした」




降谷さんとはもう恋人ではないのに、なぜ不機嫌なのか疑問が湧く。


さっきの件については終わりにしようと2人の会話に割って入り、風見さんに深々と頭を下げた。


そんな私の姿を見て、我に返ったのか静かな空間が訪れる。





「・・・・・・とにかく無事で良かった、おかえり」


「ありがとうございます・・・・・・これからは連絡するようにします」


「・・・・・・降谷さん、言ってないんですか?」 


「・・・今から言う」



私の発言に驚いたような風見さんが降谷さんに問いかけた。


言ってない・・・とは?

2人の顔が曇っていて、良い知らせではないことは聞かなくてもわかる。


公安に訪れたのは、ただ単に顔を見せる為ではなかったんだ。


自分でも気付いていたのに。



"居場所がない"・・・・・・と。





───聞きたくない。

聞かずにここを去りたい。



ドクン・・・ドクン・・・と痛いほど脈が波打つ。




「・・・」




待って・・・やだ・・・・・・

お願い・・・・・・言わないで・・・・・・














「組織の潜入は終了、上司命令だ」













上司命令はいつも突然で。




有無を言わせない圧が私を苦しめる。








雨で濡れた身体が、今になって冷えた感覚がした。



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