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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第11章 私の居場所





「バーボン・・・・・・ここ・・・・・・」

「先に行っていてくれ」

「!!」

「久しぶりに顔見せてやれよ。アイツはいつもお前の心配をしてるぞ。・・・もちろん、上司としてな」






車が到着したのは任務先・・・ではなく、警視庁だった。

運転していた彼は、バーボンから降谷零に切り替わっていて。


スーツに着替えたのはここに来る為。

組織に潜入してから一度しか来ていない。



降谷さんの言う、"心配しているアイツ"とは恐らく風見さんのことだろう。

顔も見せない、連絡もしないなんて・・・最低な部下だ。




先に車を降ろされたが足が重くて動かない。


黒の組織のジンを・・・本気で愛してしまった私が来て良い場所ではないと思う。


どんな顔をして風見さんに会えばいいの・・・。


先程よりも雨が強くなってきて髪が湿っていく。






「風邪引くぞ、早く入れ」

「あっ・・・・・・」
 


腕を引かれ見上げた先には、公安用のスーツに着替えた降谷さん。

1人では歩き出さない私を離さず、ずっと引っ張ってくれた。










「降谷さん、お疲れ様です」

「お疲れ。・・・なに隠れてるんだよ・・・ほら、堂々としろ」

「っ・・・・・・か、風見さん・・・・・・ご無沙汰して、おります・・・・・・。すみません、あの・・・・・・ひゃっ!」




顔を合わせづらくて降谷さんの真後ろに立っていると、早々に風見さんの正面に出されて。


しかし視線は合わせられず、とにかく音信不通について謝ろうと思った時、力強く抱きしめられた。


熱血なイメージがある風見さんだけど涼しくて清潔感のある香り。

正義感のある彼にピッタリだ。



組織での居場所がわからなくなってきた今、本来の場所に帰ってきたのだなと思わせてくれる。





「・・・・・・報連相は基本だ。どこへ行っても忘れるな、馬鹿野郎」

「・・・ごめん・・・なさい・・・っ」



震えている彼の声に私の涙腺も緩んできて。

心配してくれていたことも知らず、自分のことしか考えていなかった。





私からの連絡を待っていてくれたのに・・・・・・こんな部下で本当にごめんなさい・・・────





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