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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第11章 私の居場所



♦︎♥︎♦︎


もう二度と乗らないと思っていたバーボンの愛車。


同じ任務だろうと乗りたくなかったのに、上手く言いくるめられ最近の移動は専らコレだ。


付き合っている時にこれくらい共に行動してくれていたら・・・と、戻れない過去に溜息が出る。



せめてもの反抗で・・・というのは子供みたいだが、助手席ではなく後部座席に乗るようにしていた。





「着替え、持ってきましたよね?着替えてください。絶対に見ませんので」

「えっ・・・・・・今、ですか?」

「今です」



カーテンのような仕切りのない密室で・・・

よりによってバーボンの前で着替えろと?

別に減るものではないが、気持ちの良いものでもないのは確かだ。




「・・・・・・到着してから1人で着替えても・・・」

「急ぐので着替えておいていただけると助かります」

「・・・・・・」



丁寧な話し方に圧力が掛かっているバーボン。

結局、私はこの人に敵うことはないのだなと度々思い知らされる。



ふと窓を見ると水滴が付いていて。

パラパラと雨が降り出していることに気が付いた。



晴れ予報だったのに・・・なんて、もうどうでも良い気分にさえなる。





「・・・・・・絶対に見ないでくださいね」

「もちろんです」




任務用の黒い服から、持ってこいと言われていたスーツに着替える。

何故スーツが必要なのだろうか。

尋ねても「着いたらわかる」と言われるだけで教えてもらえない。




ブラウスのボタンを留めていると、ミラー越しにバーボンと視線が合った。



「っ!!・・・絶対に見ないって約束しましたよね!?」

「ははは、すみません。見えていませんので安心してください」





────やられた・・・・・・。

しっかり目が合ったのに、見てないと言われて信じられるわけないだろう。

やはり圧に負けずに断れば良かった・・・。


目を細めて睨んでも、にこやかに運転する顔が見えるだけ。





・・・・・・もう今更か。

彼には私の全てを知り尽くされている。



着替えを見られた所でジンが嫉妬してくれるわけでもないし、顔を赤くして可愛いと思ってくれるわけでもない。




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