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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第10章 あなたは誰?







「あれ・・・いない・・・・・・」


翌日も重い身体を起こし、いつもの時間に病室を訪れたがジンの姿はなかった。

どこに行ったんだろう。


慌てて医務室へ飛び込んだ。



「あのっ・・・!ジンが病室にいないんですけど・・・」

「あ、はい・・・少し外に出ています」

「え・・・もう外出して大丈夫なんですか?」

「いえ・・・・・・煙草を吸いたい、と・・・」

「・・・あぁ・・・なるほど・・・」


言うことを聞かず出て行ってしまった・・・と。

困惑した表情の医療班を不憫に思った。




ベビースモーカーの彼にとって禁煙は、死ぬことと変わりはないのだろう。

今までも私が看病に来ていない時に吸っていたのかもしれない。

体調不良でも命と同じくらい必要不可欠なものなんだ。



私よりも・・・・・・必要なんだ・・・・・・。












ジンは、アジトから少し離れたベンチに座っていて。


遠くを見つめながら煙草を吸っていた。






────かっこいい・・・・・・。






長い髪がサラサラと風になびいている。



煙草を持つ細長い指

咥える濡れた唇

顎を指で撫でる仕草も加わり、大人の色気がダダ漏れだ。




もう1ヶ月も触れていない。


話をするのも難しくて・・・何より私の記憶がないのだから当然だけど。



遠くから見ているだけなら・・・許してもらえるかな・・・。



素の彼を見ていたくて少しの間、目に焼き付けるようにジンの横顔を眺めた。





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