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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第10章 あなたは誰?






ジンがいる部屋に行くと、彼が寝ているベッドの前にウォッカが立ち竦んでいた。

手術中、ずっと見守ってくれていたらしい。



2人の元へゆっくりと近付き、様子を伺う。



頭に厚く包帯を巻いたジンは目を閉じて小さく呼吸をしていた。



「ジン・・・・・・!」


思わず駆け寄り、点滴を繋いでいない方の手を握った。


──温かい・・・・・・生きてる・・・・・・!




「ジン・・・・・・ごめん、なさいっ・・・・・・ありがとう・・・ございます・・・!!」


寝ているジンに何度も謝罪とお礼を繰り返す。

涙が頬を伝い、彼の手に落ちる。



生きていてくれて良かった・・・。

本当に良かった・・・!


ジンの顔を見ると「お前を置いていくわけねぇだろ」という声が聞こえてきそうだ。






「一命は取り留めたのね・・・」

「あぁ・・・兄貴は簡単に死にはしねぇよ」


先程ベルモットに言われた言葉と同じことを言っているウォッカ。


ジンは誰から見ても強いんだ。




でも、表に出していないジンは壊れそうなほど脆くて、支えていないと消えてしまうような弱い人間だと思う。



その姿を私にだけ見せてくれる。


いつも守ってくれてありがとう・・・


これからは私にも守らせてね・・・ジン・・・────




ジンの左手をきゅっと包み、そっと唇を押し当てた。









「ん・・・・・・」

「っ!!ジン!!」

「え・・・兄貴!?」




包んだ左手がピクッと動いて。


すぐに確認すると、眉間に皺を寄せ眩しそうに深緑の瞳を見せてくれた。


まだ意識がはっきりしていないようだが、戻ってきてくれたことに感極まる。




「医療班を呼んでくるわね!」

そう言うと部屋を飛び出したベルモット。



残った私とウォッカは涙目でジンを見つめた。







「ジン・・・・・・」

「・・・・・・」


私に名前を呼ばれたジンは、ゆっくりこちらに視線を合わせる。


抱きしめたい・・・・・・けど、身体が痛むだろうか・・・。


生きていることを実感したいが今は触れるだけにしよう・・・と彼の頬に手を添えた。


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