第10章 あなたは誰?
──目を開けると外が薄暗くなっていた。
泣きながら眠ってしまったらしい。
泣きながら眠るって・・・何やってるんだろう・・・。
本当に情けなくて自分でも呆れた。
ベルモットはいなくなっていたが毛布を掛けてくれていて。
彼女の優しさをひしひしと感じる。
泣き過ぎたせいで瞼が上まで開かない。
ジンの容体はどうだろうか。
お願い・・・無事でいて・・・・・・
何もできなくてごめんなさい・・・・・・。
頭がぼーっとしていて未だに動けずにいると、ドンドンと叩く音と同時に扉が開かれた。
「ミモザ!!ジンの手術が終わったわよ!!」
「・・・・・・ベルモット・・・」
「・・・大丈夫・・・生きてるわ。もう自分を責めるのはやめなさい。ジンにはあなたが必要なんだから・・・・・・側にいろと言われたなら離れてはダメよ」
「っ・・・・・・はい・・・っ」
ジンは助かったの?
私が側にいてもいいの?
ベルモットの優しさに再び涙が溢れてくる。
鏡で顔を確認すると、好きな人に会いに行く顔とは思えない酷さだった。