第10章 あなたは誰?
「っ!! ジン!伏せてっ!!!」
「!?ッ・・・ミモザ!!」
「きゃあっ・・・・・・!!」
バンッ────・・・
向かいのビルの一室から、こちらを狙っている人物が見えた。
銃声と共にジンを目掛けて弾が飛んできたのを避け、すかさず撃ち返すと相手の肩に当たった。
──あれは・・・・・・あの男だ。
ジンを庇おうと叫びながら体当たりしたが、体格差があるため私が彼に守られる形になり・・・・・・
頭を地面に強打する鈍い音が響いた。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・ジン・・・・・・?」
「・・・・・・ミ、モ・・・ザ・・・・・・」
地面に広がる赤い液体。
これは・・・・・・何・・・・・・?
何故ジンの頭から流れてるの・・・?
「兄貴ッ・・・!!」
「・・・ジン・・・・・・やだ・・・・・・」
「ミモザ!!急げ!車に乗せるぞッ!!」
「や・・・・・・何で・・・・・・っ」
「・・・・・・泣く・・・な・・・・・・」
ジンは最後にフッ・・・と力なく微笑み、ゆっくりと目を閉じた。
「っ・・・い・・・や・・・・・・いやああぁぁっ!!!」
目の前が真っ暗だ。
私のせいで・・・・・・
私が彼を守ろうとしたせいで・・・・・・
逆に彼を酷い目に遭わせてしまった。
ジンにしがみついて泣き喚く私をウォッカが引き剥がし、順番に車に乗せられて。
気が付いた時にはアジトの部屋のベッドで横たわっていた────