第9章 渡さない ※
「ここ・・・」
「・・・・・・」
ジンに連れてこられたのは、先日訪れたバーの上にあるホテルだった。
今日はエレベーターでのキスはなくて。
そういえば車内でもされていない。
いつも苦しくなるほどしてくれるのに何故だろうとジンを盗み見すると、落ち着かない様子でエレベーターが止まるのを待っている。
キス、したい・・・・・・。
中途半端な自慰で秘部がヒクヒクと収まらなくて。
これからのベッドでの行為に期待が最高潮に膨らんでいた。
────気に入ったのだろうか。
前回と同じ部屋で、ここで初めてジンと繋がったことを思い出す。
つい数日前のことなのに既に懐かしく感じた。
ベッドに直行すると思い込んでいたが彼の足は脱衣所へ向かい、下ろされるとコートや身につけているものを全て脱がされた。
「えっ・・・待っ・・・・・・」
「何だ。気持ち悪ィんだよ、この匂い。お前の汚れも落とせ」
「汚れ・・・てますね・・・」
確かに倉庫の砂や埃が付いてしまっている。
それよりも・・・・・・匂いってあの子の・・・?
私に触れる前に流そうと思ってくれていたのかもしれない。
私と同じように身につけているものがなくなったジンの身体はとても綺麗で。
お腹まで反り立ち光っている陰茎に、ジッと見入ってしまった。
「来い」
「あっ・・・」
浴室に入りジンがシャワーのレバーを捻る。
水と同時にジンの唇が降ってきた。
「んっ!・・・冷た・・・・・・!」
「すぐに温かくなる・・・俺に集中しろ」
上から降ってくるシャワーは冷たいが、口内に侵入してきたジンの舌は物凄く熱くて。
次第に温まってきたお湯とジンにドロドロに溶かされそうだ。
「んぁッ・・・!!ジン・・・ッ」
「ハッ・・・・・・相変わらず濡れすぎだな」
彼の指が2本私のナカに入り、自分では届かなかった奥を責められ・・・太くて硬い陰茎は私とジンの身体に挟まり、上下に扱かれている。
「あぁ、ん・・・いやっ・・・!」
「ッ・・・・・・舐めてほしそうだが?」
「ジン・・・!はぁっ・・・ぁん・・・っ」
ニヤリと笑うジンは私の乳首を口に含み、視線を合わせながら舌で器用に転がした。