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【名探偵コナン】色あせぬ恋【R18】

第9章 渡さない ※



♦︎♥︎♦︎


クソ・・・こんなはずでは・・・────





「ジンさん!ありがとうございましたっ!重かったですよね・・・すみません」

「・・・・・・」


医療班の奴らによれば、女の怪我は足首の捻挫と脇腹の打撲で、全治1ヶ月ほど。

これくらいの怪我で済み、何の弊害もなく連れ出せたのは運が良かった。




薄暗く隅の方は見えにくかった倉庫内。

しかし、視力の良いミモザは瞬時にこの女を見つけ走り出した。

名前を呼び怒鳴ったがアイツは止まることなく女の元へ。


もしもあの時、陰に潜んでいる奴がいたら・・・格好の的だっただろう。

俺がその立場なら迷わず撃っている。



加えて人の気も知らず女を抱きしめているのを見て、大人気ない嫉妬をしてしまった。



ミモザの前では・・・例えいなかったとしても、自ら他の女に触れるなどヘドが出る。


ただ俺だけを見てほしくて・・・俺だけを想ってほしくて・・・それだけの理由でこの女に触れた。


後部座席に乗ったのは、女が腹が痛いと言って離れなかったのを利用しただけで。


「バーボンの車に乗る」と言おうとした声に目が覚めたが・・・時すでに遅し。


2人きりになったら好きなだけ甘やかそうという想いも虚しく、拒否されてしまった。


何やってるんだ、俺は・・・。








「兄貴、お待たせしやした」

「ああ・・・・・・ッ!」



"ミモザを連れて医務室に来い"


そうウォッカに連絡をし、2人が来るのを出入り口で待っていた。


謝るなら早い方が良い。

ウォッカの後ろにミモザがいるものだと疑わず振り返った。





「ギムレット、怪我の具合はいかがですか?」

「貴様・・・・・・」



目の前にいたのは今1番顔を見たくない野郎。


俺の頭の中の全てを支配しているミモザは、距離を取り控えめにこちらの様子を伺っていた。






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