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【進撃/短編集】Seelenwanderung

第4章 Virgin Complex【ミケ】*




会議室に沈黙が走る。


「その感じだと、“あるにはあるがどんな感じだったかは覚えていない”ってとこかな?」


俺たち三人はゆっくり瞬きをした。図星だからだ。
この様子を鼻で笑ったハンジは説明を続ける。


「因みにジャパンの処女厨の殆どは処女を抱いたことが無い。むしろ童貞が多い。」

「…それは自分が童貞だから、相手は処女が良いという男性が多いだけではないのか?」

「そう考えている男性もいるだろうけど、潜入調査の結果、これらはジャパンのアニメやアイドルの文化と非常に結び付きがあると私は思う。次のページを見て欲しい。」


再び資料に目を落とす。
そこにはオナホールを日常的に使用するジャパンの男性達の好きなタイプが書かれていた。インタビューも頑張ったらしい。

ハンジの調査結果はこうだ。
普段から玩具を愛用する男性は内向的な性格でアニメやアイドルを趣味とする人が多い。そして女性経験が無い、もしくは現在相手がいない。趣味の影響で若くて甘えん坊の女の子が恋愛対象となる男性が増えた。若い=男性経験が無い=処女という願望から処女厨が生まれた。


「なるほどな。興味深い結果だ。」


口元で手を組んでいるエルヴィンが頷いた。
俺たちの反応にご満悦のハンジ。

そして現在販売されている処女系玩具(と呼ぶことにした)はジャパンでの聞きこみ調査の元、メジャーな物は全てモブリットが使ってみたとのことだ。


「どうだモブリット。リアリティに欠けていたのか?」

「はい。私自身の、曖昧な記憶と玩具を比べただけの感想ではありますが…普通の玩具よりもキツいだけ、という感じでした。もっと彼らを沸かせられる玩具は開発できると思いましたね。」

「処女を知らない男性達に、もっとリアルな物を提供するのは期待が出来ると思わないかい?だから私は、模型ともとれる程リアルな処女系玩具を作りたい。」


ハンジとモブリットの力強い眼差しがエルヴィンを捉える。
良い案だと俺は思う。売り出し方も見えてきた。あとはエルヴィンの承認だけだ。


「立案は良いだろう。だが最大の課題がある。そのリアリティとはどの様にして再現するつもりだ。」

「ああ、だから処女を抱いたことがあるか聞いたんだけど…」

「あ?俺達の記憶頼りだと?お前のチームに覚えている奴はいなかったのか。」


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