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【進撃/短編集】Seelenwanderung

第2章 お悩み相談室【ハンジ】*




少しして、食器の片付けを終えたは執務室に戻ってきた。
それを合図に書類作成を再開する。

もさっきの話を恥じているのだろう。
作業中、私語は禁止としている訳ではない。
時折誰かが世間話を始めるが、先程の話は一切出てこない。
だから俺たちからも触れるべきではないが…分隊長は配慮する気はあるだろうか。

しかし、俺の頭は先程の分隊長の言葉が引っかかっている。
“我慢の限界で恥ずかしそうにするレンヤはすごく可愛いと思う”と言っていた。
俺はそれを聞いた時、分隊長の変わった性癖なんだと思った。
だが分隊長が誰か人間を敢えて褒める時以外に、そう言ったのは初めて聞いた。

分隊長もに気があるんじゃ?だとすればすぐにくっつくんじゃ…
それならの為に、俺がきっかけを作るべきか?
ああ、そうするべきだ。俺はそう決心した。


「モブリット、何ニヤニヤしてるの…?」


隣で作業をしているが汚い物を見るかのような視線を送ってくる。


「いや、何でもないよ。」

「……そう。」



時刻は午後十時。
分隊長の書類はのおかげで予定よりも早く終わった。


「モブリット、、助かったよ。ありがとう。」

「いえ、いつでも仰ってください。」

「はもう上がっていいよ。あとは分隊長と確認するから。」


俺がそう言うとは「お先に失礼します。」と敬礼をして執務室を後にした。

分隊長は背伸びをしながら書類を順番に並べている。
それを半分もらって同じように並べた。


「分隊長、の事なんですが。」

「なに?」

「俺とは本当に何もありません。それに俺はが慕っている人を知っています。」

「そうなんだ。好きな人は他にいるんだね。」

「だから明日、分隊長がの介抱に行ってあげてください。」


ポカンと口を開けている。
流石に気づいてしまったか。


「ああ、同性のが良いよね。」


ダメだった。

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