第11章 自己紹介
「やぁ!君がその新しい子だね、...ええっと...名前は...」
『.........』
「ええっと...」
「ほら、挨拶....」
黙り込むに俺は挨拶を促すが何も喋らない
『.........』
憧れのオールマイトだろ?
声が出ないほど嬉しいってか?
「ええっと...シャイガール?なのかなぁ?ハハハッ...」
さすがのオールマイトさんもお手上げ状態のようだった。
「はぁ...すみません...彼女はと——」
渋々俺が代わりにこいつの名前を言いかけた時に、ようやく口を開いた。
『わたしは.........せんせっ.....を.......先生...の.........ッ』
先生?オールマイトさんの事か?
ただ、その口調は何かを懐かしむようなトーンで奇妙に感じた。
そして徐々に酸素を求めて呼吸をし大袈裟に肩が上下に動いていた。
様子がおかしい。
「おい......!」
「少女?だいじょ──」
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音が鳴ると、は深い眠りからパッと目が覚めた時のような反応を見せた。
「あぁ......オールマイトさん、すみません。ホームルームの時間なんで、これで......」
『......取り乱してごめんなさいオールマイト先生。私もオールマイト先生みたいなヒーローになりたいなって!』
彼女の声は震えることも興奮することもなくて、感情がこもっていなかった。淡々と音声が発せられているだけに感じた。
「ハハッ!そうかそうか!期待してるぞ少女!今日からここが、君のヒーローアカデミアだ!」
そう言ったオールマイトさんを見つめる彼女の目は明らかに憧れとはかけ離れているものだった。