第8章 潜入の前に※
ぐるぐると巻いてある包帯を解いていき出てきた、傷痕に顔を歪める
そんな顔するなよ...
『消毒するね。ちょっと沁みるよ。』
「っ!!」
消毒はやっぱりまだ沁みる痛え。
『ごめんっ.........でもこれで大丈夫かな。次反対の手も。』
今度は反対に座って、そういえばと聞いてくる
『最近、黒霧が忙しそうにしてるんだけど弔くん何か知ってる?』
「お前の雄英の手続きを黒霧とドクターにやらせてる。」
『あー、潜入の。いつから?』
「あれが終わったらすぐだ。」
俺が今まで見てたテレビを指差して言う。も食い入るようにして映像を見ていた。
『え......かっちゃん...?』
「あ?」
テレビの中のこの男の事か?と思いながらを睨んでやる。
『っっUSJでそう呼ばれてたよ』
黒霧と俺以外の、しかも知らない男の名前がコイツの口から初めて出てきた事に何故か今までに感じたことのない苛立ちを覚えた。
『弔くん、これはなに?』
「雄英体育祭だ。雄英もバカだよなァ。個性で競い合うところを全国中継なんて、俺らみたいなヴィランに手の内晒すようなもんだろ」
『ふーん。で、これが終わったら私のスパイ生活が始まるって事?』
「あぁ。............けどその前に...」
『ぇ...ちょっ......!?』