第7章 初めまして雄英のみなさん
アジトから黒霧のワープに入った私達は、一瞬で雄英のUSJとやらに着いた。
いつもより大きく開いた黒霧のワープは、弔くんと私を先頭にこの日までに弔くんが集めたであろう手下達がぞろぞろ出てきて、最後に脳無ちゃんが出てくる。
『わぁ.....ここが雄英...仲間もいっぱい!楽しくなりそうだねぇ!弔くん!』
こんな広い場所で戦えると思うとじわじわと私の闘争心に火をつけていく。いつのまにか弔くんのキスで火照った熱は引いていた。
だが辺りを見渡しても目的のNo.1ヒーローが見つからない。
「騒ぐな。で、肝心のオールマイトはどこだよ......せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさぁ」
ここにいるはずのNo.1ヒーローが不在でイライラをあらわにする弔くん。
入口にいる教師と生徒に勝手にぞろぞろと向かっていく手下たち。
こちらに猛スピードで走って向かってくる教師1名。
「情報じゃ、オールマイトと13号だけじゃなかった?誰よ?この男!」
「知らねえ!」
「だが、1人で正面突っ込んでくるとは!」
「「「大まぬけ!」」」
手下たちが口々にこちらへ向かってくるゴーグル男を罵っていた。
あーあ。まぬけはあなた達だよ。可哀想に。こちらへ一直線へ向かってくる男の個性を見た。
個性は抹消、か。
目を隠している。ゴーグルの下で誰を見ているのか、誰の個性を抹消しているか特定されないように、ってところかな。
でも首周りのあの布はなに?自在に操ってるみたいだけど...個性よりあっちのほうが厄介そう。
私は弔くんの隣でスパイアイを駆使しながらゴーグル男の動きを見ていた。
「ぐはっ」
「うっ」
1人で次々と手下を倒していくゴーグル男。
「なるほど、強いなぁ。プロヒーロー。有象無象じゃ歯が立たない...」
隣で手下たちがやられていくのを、つまんなそうに見ている弔くん。
「黒霧、入口を塞いでこい。生徒を1人も逃すな。」
「はっ。」
黒霧はゴーグル男が見ていない一瞬の隙に入り口へと向かった。
『弔くん、私このゴーグル男やるよ。私に個性は関係ないから。』
相手に聞こえないように小声で弔くん話す。
「あぁ。」
初めてプロヒーローとの対峙。あぁ。楽しみ。
『はじめましてイレイザーヘッド!!次は私とあーそぼ!!』
私は一直線に走り出した。