第7章 初めまして雄英のみなさん
翌日
いつもより早く目が覚めたは誰もいないバーカウンターで目をギラつかせながら、短剣やら小刀を体内にしまいこんでいた。
ガチャ
『あ!弔くんおはよー!』
扉が開く音がしてが振り返ると、自室から来た死柄木が目を擦りながらぼんやりと無気力な顔で立っていた。
「あぁ...」
『ねぇねぇ、武器これくらいあればいいかな?』
手を広げカランカランと体中から武器を何本も床に落とし、死柄木に見せびらかす。
「お前......遠足に行くんじゃないんだぞ。お前に武器はいらねぇ」
床に落ちた武器を拾い上げ死柄木が続ける
「今回はセーブの方の個性は使わずに戦え。相手にお前の個性は見せるな。オールマイトは脳無にやらせる。」
『はーい。素手でやり合えって事ね』
昨日より聞き分けがいい。死柄木と黒霧に同行できる事にも胸を躍らせていたが、一方で超難関校を潜り抜けた雄英の生徒とやらを事前に見ておきたいと言う気持ちもあった。
「それと...今日はこれ付けておけ」
死柄木がに渡したのは左右が黒色と白色に分かれた狐の形をしたお面だった。
『なあに?この可愛くないお面、猫がいい。』
「ばーか、顔バレ防止だ。お前は......狐でいい。狐は化けるんだぜ」
『化ける?どういう......』
が言い終わる前に死柄木はに狐のお面をつけてやる。
お面と顔の間に髪の毛が入りこまないように、小豆色の長い髪の毛をすくいハラハラと死柄木の指から落としていく。
の髪の毛からフワッと香るシャンプーの匂いが死柄木を魅了していた。
「狐は化けるんだ...」
『弔...く........んっっ!?』
死柄木は再び狐のお面に指をかけ、少し顔から上にずらしてやると露わになったの柔らかそうな薄桃の唇に、触れるだけの口づけをした。
『だ、だから......どういう意味って...』
耳まで顔を真っ赤にしたが声を上擦らせながら早口で死柄木に言う
「フッ......お前みたいな女のことだ」
妖艶な笑みを見せながら「行くぞ」と言うと、別の場所にいた黒霧によって出されたワープゲートへ2人で入っていくのであった。