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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第25章 新しい生活※





『そういえば、さ』

話を逸らすために咄嗟に言葉を滑り込ませた。見上げた白い天井の面積が段々と狭くなっていた。

「なんだ」

『さっき上鳴くんに笑ってるところ初めて見たって言われた』

ふは、と笑ってからイレイザーヘッドはなんだそれ、と言って言葉を続けた。

「そうだな。教師の俺から見てもお前は、あいつらとは一線を引いてるように見える」

『全く同じこと言われた』

「嫌いか?馴れ合いは」

『嫌い...ではないけど』

その言葉の続きを探す。何と答えるのが正解か、思考を巡らせるがいい言葉が見つからなかったのでそのまま黙り込んだ。

実際、連合のみんなとわいわいするのは好きだし嫌いではないんだと思う。

A組は相手が相手なだけであって......。

「別に無理して馴れ合えとは言わないよ。実際、俺も学生の頃は似たようなもんだった」

その「学生の頃」を思い出しているのか懐かしむトーンでイレイザーヘッドが言った。

想像つく、と私は思った。教室の端の席で他の生徒と距離を置き必要最低限の言葉しか交わさないイレイザーヘッドがすぐに想像できた。

『あ、でも』

そこでこの部屋に入ったときに見つけた写真立ての存在を思い出し、ベットのサイドチェストを指差した。

『いるじゃん、仲良い人。プレゼントマイクとは学生の頃からの付き合いなんですね。』

「...ん?あぁ。」

『この真ん中の人も雄英で教師を?』

写真を見なくても分かるのか、隣のイレイザーヘッドは写真には目もくれず、体勢を変えずに仰向けのまま視線は天井を見上げている。

その目はどこか遥か遠くを懐かしむようで奇妙に思えた。

「なるはずだったんだ。そいつも」

はずだった......?

過去形に違和感を感じる。

「17歳の時、2年の時な。インターン先でヴィランの襲撃に遭ってな。亡くなったんだ。」

『...そう、なんだ』

「こんな話をするつもりじゃなかったんだがな。悪いな。寝るか」

控えめに照らされた明かりの下で、力なく笑うイレイザーヘッドの横顔に目を奪われた。

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