第25章 新しい生活※
『どういう事?上鳴くん、常闇くん。』
「ってさ、なーんか俺らとは一線引いてるっつーか。」
「己はA組の一員ではないのだ、と。そんな風に聞こえてくるな。」
上鳴くんと常闇くんにそう言われて焦った。白を切るべきか、認めてしまうべきか自分でも分からなかったからだ。
『まぁ、途中から入ってきた身だし、ね。』
私はそう言いながらも、どんどん自分の声が小さくなるのがわかった。
「まぁ、どういうふうに見えるかって聞かれたら俺の硬化にも怯まず攻撃仕掛けてくるスゲーやつだな!」
白い歯を見せて笑う切島くん。
「俺と初見ですぐに立ち回りを攻略してきたし頭のきれるやつ!」
今度は尾白くんにそう言われて、そういえばそんなこともあったなと合宿の時の訓練を思い出す。
「可愛い!完全無欠女子!」
ケーキを頬張りながら答える麗日さん。
「たったお一人であの魔獣の森を攻略してしまうんですものッ。さんはクラス屈指の実力者ですわ。」
自分が持ち込んだ物であろうティーカップをコトンとテーブルに置いてから悠長な声で喋る八百万さん。
「美人でおっぱ...ッぐふ!」
何かを言いかけるものの、途中で瀬呂くんのテープで拘束されてしまった峰田くん。
「つまりよ?入ってきた時期とか関係ねぇと思うのよ。」
自身のテープで拘束した峰田くんをボールのように空中に投げながら言う瀬呂くん。
「そうさ、くん。入ってきた時期は違えど目指すものはみな同じ。そして俺たちは友でありライバルだ。」
委員長のその言葉とみんなの目が同時に私に向けられる。
『私...ッ───』
変われるかな
その言葉が口から出てこなかったのはTVから聞こえてきたワードに反応してしまったから。
(いやぁ、ヴィラン連合の目的はなんなんでしょうね〜)
テレビの中でコメンテーターらしき人の間延びした声が聞こえてきた。
以前、保須事件の時に上空から撮られた私と弔くん、黒霧の写真とともに色々な考察がテレビの中で繰り広げられていた。
「死柄木弔....」
ポツリと声を漏らしたデクくんに心臓が嫌な音を立てた。