第6章 ハンバーグに付け合わせがいるか否か※微
「死柄木弔、あまりを虐めないように。」
いつのまに食べ終わっていたのか、弔くんのお皿をカウンターの中から片付けていく黒霧。
『そうだそうだ!もっと言えー黒霧!......ていうかなんで弔くんはブロッコリーもにんじんもないの?』
私はハンバーグだけの弔くんのお皿を見て気になってた事を黒霧に質問する。
「死柄木弔は、野菜を残すので。」
ふーん。
黒霧、小さい頃は私ににんじんも食べなさいって言ってたけどなぁ。
「ばーか。メインはハンバーグだ。周りの付け合わせは彩りの為にあんだぜ?あってもなくても同じだ」
『ちょっと...意味がわからない』
「同じくです。」
「あぁ。そうだ。」
「大事な事忘れてた」と言いながら弔くんが私を見て言う。
「お前、雄英に潜入してスパイになれ」
は?雄英?スパイ?潜入?
弔くんと長いこと一緒にいるせいだろうか、私はだんだん弔くんと口調が似てきた気がする。
いやいや、そんなことよりも...
『え?嫌だけど?』
私は満遍の笑みで至極当然のように返事をする。
「だめだ、行け」
『えぇ...なんで私が...』
「行け」
『っ!!!』
いけ...
弔くんのその言葉になぜかさっきのお風呂場での出来事が彷彿させられ、顔がどんどん熱くなるのがわかる。
うぅ...そんな赤い目で見られたら拒否できないじゃんか...
『......分かったよ...』
「お前、今違うこと考えてただろ?」
『うるさいっ!』
バレてたことに恥ずかしくて耳まで赤くなる
「フッ...お前が得策なんだ。年齢だってドンピシャだ。」
「ですが死柄木弔。オールマイトが雄英で教師をするって情報だけで、まだどのクラスを受け持つまでは分からないのでは?そもそもクラスを持つのかだって不透明。それに入学試験はもう間に合わないかと...」
それまで黙って聞いてた黒霧が口を開いた。
たしかにそうだ。例え私が雄英に入れたとしても、都合よくNo.1ヒーローのクラスになれるのか?No.1ヒーローががクラスを持たなかったら?色々な疑問が湧いてきた。
「なにもに平和の象徴を殺せとは言ってねぇよ、雄英に入る。それだけで及第点だ。」