第6章 ハンバーグに付け合わせがいるか否か※微
『じゃあ、なにを...』
「お前は雄英でヒーロー目指してるふりをしてればいい。んで、逐一報告をしろ。雄英のこと。入学は...転入してきたって体でいいだろ。そういうのはドクターの得意分野だ。」
そううまく事が進むだろうか。いくら子供といえど超難関校をクリアしてくる子供たちだ。すぐに正体がバレるのではないかとは懸念していた。
「...お前はガキだが馬鹿じゃない。俺はお前を信用してる。」
まるでの雑念を払うかのように一段と優しい口調で言い頭をぽんと撫でてやる死柄木。
は頭を撫でられる事にめっぽう弱い。幼少期から共に過ごしてきた死柄木はそれを理解しての行動だったが、の不安を取り除いてやりたいという偽らざる気持ちが確かにあった。
『んっ.........じゃあもっと撫でて。頑張るから...』
「あぁ、あと───」
を撫でていた手を止めて死柄木が続ける
「お前、相手とやり合う時変な癖が多い。それ直せ。そういうのはいつかお前にとって負の要因になる。」
「癖?」
キョトンと首を傾げ死柄木に訊き返す
「主に接近戦のお前は間合いの詰めが重要になる。が、お前はその初動が大きすぎでバレバレだ。」
『ん...頑張って直します...』
「俺はもう寝る。風呂場でこいつにパシられて疲れた」
死柄木はの肩をわざとらしくポンポンと叩きニヤニヤ笑いながらの横を通り過ぎて自室へ向かった。
『っっ!いじわる......』
「、あれでも死柄木弔も雄英に赴くことは心配してるのです。」
食器を片付けながら黒霧が言う。
『分かってる...もう何年も一緒にいるんだもん。でも───』
「?」
フォークに刺したにんじんをまじまじ見つめパクりと口に放り込む
『やっぱり私はハンバーグには付け合わせ欲しいかなぁ』
黒霧ごちそうさま、とにっこり笑いながら言うであった。