第25章 新しい生活※
「いやいや、が謝る事じゃないから。も被害者なんだし。」
『そう、だね......』
作り笑いする自分に嫌悪感が走る。クスクスと笑う耳郎さんに私はそれ以上何も言えなかった。
「とりあえず1年A組、無事にまた全員集まれて何よりだ──」
私たち生徒の前に、いつのまにか立っていたイレイザーヘッドが言葉を続ける。
「さて、これから寮について軽く説明するがその前に1つ。大事な話だ。」
仕切り直すように、さらに低い声で続けた。
「切島、八百屋、轟、緑谷、飯田。この5人はあの晩あの場所は爆豪救出へ赴いた。そしてそこに偶然いたも助けた。そうだな?」
あの晩、あの場所というのはオールマイトと先生が戦ったあの夜の事?5人に賞賛の言葉でも送るのかと思ったのだが、このただならぬ空気とイレイザーヘッドの声のトーンがそれを否定している。
それ以外の生徒も気まずそうにイレイザーヘッドから目を逸らしている様子だった。
「その様子だと、行くそぶりは皆も把握していたわけか──」
向かい合いながら立つ私たち生徒と、イレイザーヘッドとの間に一瞬強い風が吹いた。鬱陶しそうにイレイザーヘッドが目を瞑る。そして片目を長い前髪で隠しながらもゆっくり目を開いてから言った。
「色々棚上げした上で言わせてもらう。オールマイトの引退がなきゃ俺は、爆豪、、耳郎、葉隠以外全員、除籍処分にしている。」
『ハ......な、んで』
理解ができなかった。助けたのに、除籍処分?
また、合理的虚偽とでも言うのだろうか。とも思ったが今そんな冗談を言うほどきっとこの男も馬鹿ではない。
「行った5人はもちろん、把握しながら止められなかった12人も俺たちの信頼を裏切ったことには変わりない。正規の手続きを踏み正規の活躍をして信頼を取り戻してくれるとありがたい。」
正規の手続き....。以前ヒーロー殺しを倒したデクくんたちが公表されなかったのを思い出した。
そういうことか。
それにしても。
信頼を裏切った、ねえ。
正体を偽り、林間合宿も台無しにして。弔くんの命令を背いてでものこのここんな所に来て。
私は何がしたいんだろう。