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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第25章 新しい生活※




「よぉ、。雄英との逃避行は楽しかったか?」

一歩、また一歩と後ろからゆっくり近づいてくる弔くん。その度にミシリと床が軋む音が響いた。

『と...むらくん』

「なんでアイツらの逃走に手助けした」

呼吸が乱れそうになる。胸が上下しそうになる。これは雑談ではない。尋問だ。


『...別に手助けしたつもりないよ....雄英生から離れるために仕掛けた攻撃が結果的にあの子たちの加速を援護しちゃった感じ』

どこまでつづくか分からない出まかせを私は喋りはじめた。見切り発車もいいところだった。


「まぁ結局、落下するちゃんを爆豪クンが助けたんだけどね」

両の手のひらを大袈裟に上げてやれやれというように首を振るミスター。

「そーですよッ!弔くん!ちゃんが私たちを裏切ってヒーローたちのところに行くわけないじゃないですかッ」

トガちゃんのフォローも今は心が痛くなるだけだった。

「だったら...なんであの時...目ぇ逸らしたんだよ。」


弔くんの言葉にドキリとした。いつ、かなんて言われなくても分かる。切島くんが壁を破壊した瞬間、確かに私は弔くんと目が合った。あの時目を逸らしてしまったのは、後ろめたさを感じたからだ。


『ッ......』


私が言葉を詰まらせていると部屋のテレビ画面が突然切り替わった。

「フォッフォッ...。死柄木弔、呑気に仲間割れか...?」

「チッ...なんだよドクター」

『ドクター...』

「久しぶりじゃのう、───」

テレビ画面に映ったドクター。アジトでも何度かやりとりはしていたが、姿は見えなかった。画面越しだが、こうして姿を見るのは初めて先生にあった日以来だった。


「先生......いや、オールフォーワンが捕まったそうじゃな。」

「あぁ。」

「弔くん、ちゃん。誰ですか?このお爺ちゃん。」

「も死柄木弔も幼少の頃にお世話になっている方です。脳無を作られているのもこの方なんですよ。」

「へぇ」

黒霧の説明をつまらなそうに聞くトガちゃん。私と弔くん以外のメンバーも視線だけはしっかりとテレビ画面へ向けていた。


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