第24章 vs■■■
薄暗い長い廊下にぽつんと置かれた長椅子に見慣れたシルエットが座っている。
部屋から出てきた私とかっちゃんを見るなり、スーツ姿のその男は目を丸くした。イレイザーヘッドだ。
まさかあの会見の後にきたというの?
ゆっくり私とかっちゃんに近づくなり2人まとめてイレイザーヘッドの腕の中に収められた。
「んぐッ」
『相澤、せんせ...?』
イレイザーヘッドの芳香が鼻腔を擽る。
まとめて抱きしめられた事ですぐ横に不機嫌そうなかっちゃんの顔があるのも、イレイザーヘッドの大きな胸に抱きしめられてる事にも恥ずかしくなる。
「...2人とも無事で良かった......」
頭上から聞こえてくるイレイザーヘッドの苦しそうな声に胸が痛む。
「ッ離せ...んやろ」
奥歯をギリギリと噛み締めながら唸るかっちゃん。
『せんせ...くるし...』
「わりぃ」
私とかっちゃんから目線を逸らして気まずそうに頭を掻くイレイザーヘッド。いつになく目が赤いのは気のせいだろうか。
「イレイザーヘッド、さんの右足に軽い捻挫が見られましたがそれ以外に2人の精神状態、健康状態に特に問題はありませんでしたので今日はこれで。」
「ええ。ありがとうございました。」
イレイザーヘッドと警察のやりとりを聞いてから、警察を一瞥し3人で警察署を出た。