第24章 vs■■■
これが平和の象徴......か。
その瞬間私は平和の象徴、オールマイトの強さのようなものを見た気がした。人々からの絶対的信頼と信用。そしてその強さ。
倒れかけ、横に傾きかけている柱を大勢の手が支えている。そんなイメージが私の頭の中にすぐに流れ込んできた。
「勝って...!」
「勝てや...!」
「「オールマイト...ッ...!!!」」
泣きながら叫ぶデクくんと、かっちゃんの沈痛な叫び声が重なった。
そして映像の中でその想いに呼応するかのようにオールマイトの右半身に筋肉が戻りいつもの姿にになっていた。
身体の半分が痩せこけ半分が鍛え上げられたその姿は歪にも見えるが、人々に希望を与えるには十分だった。
ここにいる人々の声援で、声量だけで全身の毛が逆立つような感覚がした。
『あ......』
映像の中にはいつのまにか来ていた、他のプロヒーローがオールマイトを援護するように先生に攻撃を仕掛けていた。
だめ......先生...逃げて............
けれど先生も諦めていない。
先生の個性。オールフォーワン。
今まで人から奪ってきたであろう個性を駆使してオールマイトに立ち向かう先生。
先生の右手は筋肉で巨大化し、皮膚からはドリルやネジのようなものが剥き出しになっていてもはや先生の右手は鉄の塊にも見えてくる。
ぶつかり合った二つの大きな身体はそれだけで、周囲に衝撃波をもたらした。
再び乱れる画面。
そして次に土埃が晴れた時、立っているオールマイトと倒れた先生の悲惨な姿が写っていた。