第24章 vs■■■
「が寄越してくれたラグドール。あれは素晴らしい個性だったからボクが貰っておいたよ。キミの判断は素晴らしかった。」
『ん......』
そう言って、私の頭を大きな手で撫でる先生。ラグドールの個性を先生が奪っていたとか、黒霧をつくっただとかそんな事は既に私の頭から消えてしまっていた。
ずっと、ずっとこうされたかった。先生に撫でてほしかった。
先生の大きな背中に腕を回して、頭を押し付けた。
けれど───
「先生、弔くんたちが危ない目に合ってるかもしれないの。一緒に助けに行こ...?」
先生との再会を喜ぶのはこの後だ。今は弔くんたちを助けにいかないと。そう言ってから先生を見上げた。
「あぁ。それなら問題ないさ。時期に弔たちもくるよ。」
『来る...?ここに?』
「そうさ。......ん?」
その瞬間何が起きたのか分からなかった。
大きな爆発音のようなものが響いた。同時に爆風が巻き起こりその衝撃波に押されて近くの建物の壁に私は全身を強く打ち付け、後頭部に強い衝撃が走った。頭の中が光り意識が遠のいた。脳が揺れたのか、身体の芯が震え、ソコからはよく覚えていない。
遠のく意識の中、先ほどまで自分がいた脳無格納庫が人の足のようなもので潰されているのが、かろうじて確認できた。
次に目が覚めた時は、私のそばにいた人は先生ではなかった。