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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第24章 vs■■■




外に出た瞬間、地面が揺れた。
地震か?と思ったが何ということはない、単に自分の足が震えているだけの事だった。

外の風はさほど冷たくなかった。季節はまだ夏だというのに自分の腕を抱き締めるようにして足を進めていた。つまり私は寒くもないのに身体が震えていた。

弔くんたちは無事だろうか。心配や恐怖、焦りが、色んな感情が体の中心から込み上げてくる。

行く当てもない足をとにかく進めながら自分がどう行動すべきか考えようとした時だった。


「......。」


『...ッ!!!』

その瞬間両目がじんわりと温かくなり、視界が滲んでいく。

自分の背後から聞こえてきた声。ゆっくりとまとわりつくような柔らかな口調なのに、どこか圧を与えるような声。けれど私にとってはとても心地よく懐かしく大好きな声だ。

振り向かなくても分かる。ずっとずっと会いたかった人。


『せんせ......ッ...!!』


振り向くと同時に後ろに立っていた先生の元へ走り出して大きな胸に飛び込んだ。
勢いよく飛び込んだにも関わらず先生の大きな身体はしっかりと私を受け止めてくれた。


「、久しぶりだね。こうやって顔を合わせるのはいつぶりだろうか。」

『...ぅ...だって、...あの日...ッ先生が急に...ッいなくなるからじゃん...』

「ハハ。悪かったねぇ。あの日はオールマイトとの戦いもあったし黒霧を造るのもありバタバタしててね。でもこうやってまたキミに会えて僕は嬉しいよ。」


......ん?つくる?先生今、黒霧をつくるって言った?黒霧と顔を合わせるための時間をつくるとかそういう事だろうか。


『せんせ、どういう───』

言葉の意味を尋ねようと、先生の胸にぐりぐりと押し付けていた顔をあげて先生の顔を見て言葉を詰まらせた。

『ッ...!!先生...?その顔どうしたの?』

初めて会った時の仏のような優しい笑みの先生の顔はそこにはなく、首から頭部にかけて黒い鉄マスクのようなもので覆われていて、パイプやら太い釘で固定されている先生の顔。

「以前のオールマイトとの戦いでだいぶやられてしまってねえ」

やられたと言うわりにはどこか楽しそうに言う先生。

あ、それと。そう付け足して先生が言葉を続けた。

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