第24章 vs■■■
死柄木side
───俺の仲間にならないか?
分かってはいたが、そう簡単に首を縦に振らない爆豪勝己。
俺の身体の痒みが最高潮に上り詰めたのはテレビの中でが行方不明として取り上げられている雄英の会見が流れ初めてからだ。
「...行方不明、だァ?どうせてめェらが拉致ったんだろうが。小豆女...アイツは今どこにいやがる...」
下を向いたまま目線だけを上げて睨むようにしてテレビの会見を見ていた爆豪が低い声で呟いた。
「俺らが攫ってたらなんだってんだ」
苛立ちと比例するかのように痒みが俺を襲ってくる。ちらりとを見るが仮面をつけているせいでその表情は汲み取れない。
「小豆女は解放しろや...テメェらが用あンのは俺だけだろーが」
俺はこのガキの、体育祭で見せたヒーローらしからぬ粗暴な態度をかったというのに。なぜこのガキがを庇う。
───のそのような行動については全て教育者の私の不徳の致すところです。
ただ、雄英に来てまだ間もなく口数も少ない彼女ですが、何かに葛藤し必死に踠こうとしている。私はそれを否定したくはないし表面上だけで彼女を判断しないで頂きたい。
テレビの中から聞こえてきたイレイザーヘッドの謝罪とを庇うような発言にまたもや痒みが増す。
『ハ...』
テレビの方へ顔を向けたまま仮面の中での乾いた笑い声をはっきりと聞いた。
なあ。お前いまどんな顔してんの。プロヒーローにもヒーローの卵にもそんな風に言われて。思われて。
『黒霧、ゲート出して。脳無格納庫に行く。弔くんいいでしょ?』
のその声に不安の色が隠れているのを俺は確かに聞き取った。落ち着きを払っているのは見せかけだ。俺はそう見抜いていた。は明らかに焦りと動揺を隠している。
...合宿でなにがあった?
「あぁ。」
いくら爆豪が目の前のの正体を知らないと言えど、を少しでも爆豪の視界に入れたくなくて、から雄英の会見など見せたくなくてついそんな返事をした。
まさか自分のこの選択を後悔するとも知らずに
この時の俺は、少し先の事すら考える余裕すらなかった。自分の感情を優先させるので精一杯だ。