第24章 vs■■■
その日の夜再びバースペースに集まっていた。
『私ここにいたらまずいよね?』
「確かに。ちゃんの可愛い顔がテレビで報道されちまったらここ近辺に住んでる奴らにはバレちまうんじゃねぇの?」
ミスターが掌の中で器用にビー玉を転がしながら言った。
『弔くん。なんか私に出来ることある?』
「そうだな...。お前は脳無格納庫に行け」
『のーむかくのーこ??』
聞き慣れない単語を訝った。
「あぁ。が合宿の間、ドクターと先生に頼んでた脳無がようやく完成したんだ。脳無が置いてある倉庫みてぇなモンだ。」
『そこで何をすればいいの?』
「見張るだけでいい。もう何年も使われてない廃倉庫だから人が入ることもねぇが。念のためだ。」
『ん、分かった。』
「待てよリーダー。本当にコイツ1人で行かせる気か?」
「そうですよッ!弔くん!ちゃんが行くならトガも行きます!」
『ありがとう、トガちゃん。大丈夫だよ。荼毘も、もしかして心配してくれてる?』
トガちゃんはともかく、まさか荼毘が私を心配してくれてるなんて思わなくて揶揄うつもりで荼毘に言った。
「...お前、意外と弱ェじゃん。」
『...ッ。』
なにその顔。
いつもみたいに憎たらしくニヤニヤしながら言ってくれれば何か言い返せたのに、荼毘の珍しく弱々しい声に、苦しげな表情に言葉を詰まらせてしまった。
『はは、ありがとう荼毘。廃倉庫みたいだし誰も来ないよ。』
笑いながら私がそういえば荼毘はそれ以上何も言ってくる事はなかった。
「一応通信機は常に持ってろ。何かあればそれで連絡してくれ。」
弔くんにそう言われて身体から通信機を確認した。
『了解』
「んじゃ、そろそろ爆豪クン解放していいワケ?」
弔くんにビー玉を見せつけながらミスターが言った。
「あぁ。頼むコンプレス 」
ふぅ、と一息ついて私も身体から仮面を取り出して顔につけた。