第24章 vs■■■
「わぁッ!ちゃん有名人なのですッ!」
両手をパチパチ叩きながらなぜか喜ぶトガちゃん。
「犯罪者の、だけどな。」
犯罪者を強調するように皮肉めいた口調でいう荼毘。
「まさか行方不明者として報道されるなんてな」
カウンターに頬杖をつきながら言うミスター。
「まぁ、行方不明になったらそうなるだろ」
残りのサンドイッチを口に放り込みながら言う弔くん。
テレビ画面下3分の1くらいをわざと急かすかのような赤いテロップと、速報、林間合宿襲撃事件被害者生徒2名実名公開か、の文字で占めていた。
当事者だというのに驚くほど無関心な自分がいる事に驚いた。
へえ、という感じだった。
へえ、サンドイッチですか。へえ、コーヒーですか。へえ、速報ですか。その程度のものだった。
けれど私がここにい続ける事は他のメンバーにも危険が及ぶのではないかと危惧していた。